ハローワーク勤務日記

ハロワにはいろいろな人が来ます。
一人で、２時間以上も窓口に座り、帰らない男。
そして、その男は最近、毎日来ます。
午前２時間、午後２時間の時もあります。
私は、お話したことが無いので分かりませんが、
就職の話をしているのは間違いありません。
相手をするのは男性職員が担当してくれており
他の相談員は、心の中で、その職員に手をあわ
せて、感謝しています。

一昨日は、受付で１時間立ち放しで、しゃべる男
が来ました。
ハローワークカードも出さずに、ずっと歴史の事を
しゃべるのです。
内容は、何故原爆が落とされたのが広島だった
のか、細菌部隊の真実、ミドリ十字の責任など、
ハロワで話をするテーマではありません。

本業は農業といい、既に60歳は過ぎているよう
ですが、就職の紹介の申出をしません。

とうとう、根負けして、「受付でずっと立たれると他の
お客様の迷惑ですから・・・」とさえぎると
「わしもお客だ」とか言って、退きません。
「それでは、ハローワークカードを出してください」
と言うと、わしは、英語が得意だから、通訳をしたい、
そういう仕事はあるかと、聞きます。

1年ほど前にもフラっと来て、窓口で応対した時も、
同じようなことを言っていましたが、学歴は中卒で
英語を専攻したり、英検の資格もなく、仕事は農業
でした。

たまりかねて、2時間以上粘る男の担当職員が、
助け舟を出してくれて、窓口に招いて対応してくれ
ました。
やはり、同じような歴史のエピソードをしゃべり続けて
2時間後に帰りました。

この男、帰る時に目が合い、恨めしそうでした。
まだ、話したりなかったのでしょう。
こちらは、充分なのですが。