忍者ブログ

ハローワーク勤務日記

★ハロワ勤務者の日記帖★

   

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ブラック人間


ブラック企業と言うと、労働基準法を守らず
労働者いじめのイメージがあります。

ブラック人間と言うのは聞いたことは無いですが、
昨日、そういう事例がありました。

紹介したA君はめでたくB社に採用され、一昨日
から出勤したそうです。

そのB社の担当者から電話がありました。
A君は午前中勤務し、午後無断退社したそうです。
夕方、A君から電話で、やっぱり辞める、と言って
戻らない。彼の所持品もあるし、午前中の賃金だけ
でも支払いたいが、どうしましょうか?
と言う相談です。

さすがに、私も頭にきて、彼にもう一度きちんと
会社に来て、賃金の受取と、所持品の返却を
受けるよう連絡してください。
もう戻らないなら、所持品を外に捨ててもらって
結構です!

善意の会社に迷惑をかける人間はブラックです。
ブラック企業だけを批判し、ブラック人間は批判
されない世の中は間違っていると思います。

企業は、転職を繰り返す人間を採用しない理由が
よく分かります。辛抱できない人間は、向いていま
せん。

話はそれますが、受付の前で、自分はあと何人目
ということを、聞く若者がいました。あと2人と言うと、
前に立ったまま、受付を離れません。
そして、「俺は、待つのが嫌いだ。体が怒りで震えて
くる。今のオレなら、怒りで鉄棒も折る自信がある」
と言いました。会社を雇止めされた理由が分かります。













PR

何回も落ちる男



就職面接にいくら受けても採用されない男が
やってきました。

他の管轄ハローワークで登録し、そこで、数十社
紹介されても採用されないので、そこから、こちら
に、一度そっちで紹介をしてもらえれば、採用され
るかもしれないよ、と言われて来たそうです。

まだ20代の若者で、学歴も高卒で、それほど、
大きな欠点は見えません。

会話も普通ですが、理屈を言うのが好きで、どうも
これが生意気に映り、印象を悪くしているようです。
面接では、気に入られるようスマイルを心がけると
言いますが、面接官も無意識に、その使いづらい
性格を感じ取っているようです。
それに気付くよう、色々な事例を挙げてアドバイス
をしましたが、本人は、自分を直そうという気持ちは
ありません。
性格を直すことは、非常に難しいことです。


結局、数件をお勧めしましたが、色々理由をつけて、
応募したい求人は、ありませんでした。
全員が希望通り就職できる失業率0%と言うのは
不可能なことだと痛感します。

























歴史好きの男:2


4月14日に書いた歴史好きの男がやってきました。
今度は、ハローワークにギターを抱えてやってきました。
そこで、お昼休みで閑散としたフロアーで、急にギターを
弾き出しました。
慌てて、職員が退場命令。
「恐れ入りますが、ここでは他のお客様のご迷惑になり
ますので、別の場所でお願いします」
そう注意を受けた歴史好きの男は、
「自分は厚生労働省の偉い人を知っているが、良いのかね」
と脅しますが、職員もひるみません。
「そうですか、退出をお願いします」

これで、ようやく、出て行きましたが、また戻ってきました。
今度は、ギターを持たず、受付で、大きな声で、あのギターは
30万円したので、外では雨に濡れて、弾けないよ。自分は、
楽器は全て弾けるのよ。ピアノでも何でも出来るよ。
と、場違いのテーマをしゃべります。

見かねた職員が、「どうぞ、こちらの相談窓口にお座り下さい」
と案内し、「それで、ご相談は何でしょう?」
男「僕はね、中学しか出てないから、就職できないんよ。
アンダスタンド?」と言います。
前回も書いたとおり、片言の英語で、自分は通訳が出来ると
言っていたのを思い出しました。

ハローワークには、ワケアリ人間が沢山やってきます。
そういう視点で見ると、人間模様が見えて、貴重な体験の出来る
素敵な場所です。退屈しません。













切手を買う金が無い男

58歳の男が来ました。
老眼でパソコン求人検索機を見づらいので
相談窓口のパソコンで自分に適した仕事を
見てくれと言います。
配達や土木作業や軽作業が希望と言い、
イザ探してコレはいかがですかというと、
いやこれは遠い、しんどい仕事は難しいと
言いたい放題です。
それでもようやく、応募しても良い求人が
あり、会社に電話しましたら、先に履歴書と
紹介状を郵送するよう言われました。
58歳男に、それを伝えると、「切手代の金が
無いから応募しない」とのこと。
丁重にお断りして電話を切りました。
結局、700件以上の求人をみて、私も目が
くらくらしました。

最後に58歳男は「履歴書を郵送するから
もう一度、応募を頼んでよ」

さすがに切れました。
「無茶苦茶言うたら、あかんでよ!」
お客様が、皆さん私を振り返りました。

でも、考えてみると、彼はえらいと思います。
これほど金欠で、仕事に就けなくても、生活
保護は恥ずかしくて、申し込めない、とのこと
です。

こういう矜持を持っている人は好きです。












悩む男

ハローワークに仕事の悩みで相談に来ました。

プロフィールは、
学歴:大学院卒業。
身分:独立行政法人の正職員
年齢:20代
「悩み」↓
今の事務の仕事が好きになれない。
大きな組織なので、いつも異動があり、
職種が変わるので、大学院で専攻の
自分のしたい仕事に就けない。
小さな会社に転職すれば希望職種に就け
そうなので転職したい。
このまま安定した仕事に意味があるのか、
と悩んでいる。
ある程度、貯金が出来ても、好きな仕事に
就けない人生で意味があるのかと悩む。
上を見ていると将来のレールが見えてしまう。
だから、辞めたいが、家族や友人が、止める。

と、贅沢な悩みです。
私は、こう話しました。
ハローワークに出ている求人は、欠員が
でて、補充するための会社が多い。
貴方の独立法人は、ハローワークに求人を
出さない。
それは、欠員が出ない良い職場だということ
です。
今の恵まれた環境を捨てることは、将来後悔
することになるでしょう。

こういう風に慰留したところ、本人は、もっと
考えてみると言って、帰りました。

ハローワークに通う失業者からみれば、贅沢
ですが、本人は悲痛な顔で真剣に悩んでいます。


人間は悩むようになっているのでしょうか?















プロフィール

HN:
赤ひげ社労士
性別:
非公開

P R

Copyright ©  -- ハローワーク勤務日記 --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Photo by Geralt / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]